皆様、今晩は、ようこそ観月会においで戴きました。
さて、日本の四季の風景を「春は花、夏ホトトギス、秋は月、冬雪冴えて冷しかりけり」と
詠われるように、秋といえば月、中でも『中秋の名月』は別格です。
陰暦では、秋は7月8月9月の三ヶ月。今日は8月15日、まさに秋の真ん中「中秋」でございます。
現在、街中では終夜アカアカと灯りがついていますが、かつて「日の入り」とともに暗闇でした。
「明かり」といえば、月の光です。きっと満月の夜が待ち遠しかったに違いありません。
とりわけ実りの秋、稲刈りを前にして「中秋の名月」には、まん丸の月に似せた「お団子」やら、
稲穂に似せた「すすき」をお供えし、自然の恵みに感謝し、豊作を祈る特別の意味がありました。
寂光院のある、この山は「継鹿尾山(つがおさん)」と申します。
犬山を代表する美しい風景を江戸の頃より八箇所選んで『犬山八景』と申します。
その八景の一つが『継鹿尾秋月(つがおしゅうげつ』といって、この継鹿尾山にかかる
「中秋の名月」でございます。ことのほか本堂から眺める月を指しました。
昨今、環境の変化や都市化の波で、「犬山八景」は面影が薄れましたが、幸いにも継鹿尾山は
全山「国定公園・特別保護区」に指定されており、江戸時代の風景を残し今に至ります。
寂光院はまた、『尾張のもみじでら』と呼ばれてます。まもなく、全山紅葉に彩られます。
是非またご参詣下さいますようお願い申し上げます。 合掌